Ophir Photonics 50年の歩み― エルサレムの研究室からグローバルなレーザー計測機器ブランドへ ―

50 Years of Ophir Photonics: From a Jerusalem Lab to a Global Laser Measurement Brand

1976年、精密赤外オプティクスおよびレーザー測定機器の開発に取り組むチームとして設立されてから、今年でOphirは50周年を迎えました。

半世紀を経た現在、MKSブランドの一員であるOphir Photonicsは、レーザーパワー・エネルギー測定、ビームプロファイリング、高性能光学ソリューションの分野において、世界的に認知された存在へと成長し、産業、研究、医療、防衛といった幅広い分野のお客様に製品と技術を提供しています。

この節目を記念し、Ophir Photonicsの現在を形作ってきた主要なマイルストーンを振り返ります。

1976~1980年代:創業期

Ophir Optronicsは1976年に設立され、産業用途および防衛用途向けの精密赤外光学およびレーザー計測機器の開発に注力してきました。

創業当初から、同社は光学設計、製造、計測技術(メトロロジー)を一体化した体制を確立していました。特にレーザーパワーメーターおよびエネルギーメーターは、早い段階から製品ポートフォリオの中核を担い、今日のOphir Photonicsの基盤を築く重要な役割を果たしました。

1980年代:専門性の確立

1980年代を通じて、Ophirは以下の分野において技術力を拡充してきました。

  • レーザー出力・エネルギー測定
    極低出力から産業用途レベルまで、測定可能な出力レンジを拡大。
  • 赤外光学(IRオプティクス)
    過酷な環境下で使用されるサーマルイメージングシステムや暗視システム向けのレンズを供給。

これら2つの柱、すなわちレーザー計測技術と赤外光学技術は、現在に至るまでOphirの中核を成しています。

Early beam diagnostic tools

1990年代:レーザー産業の成長とともに発展

レーザーが材料加工、医療、通信、研究分野へと広く普及する中で、Ophirの計測機器もそれに合わせて進化してきました。

  • より広範な波長およびパワーレンジに対応する新型レーザーセンサーの開発
  • 柔軟なデータ記録および解析を可能にする各種メーターおよびPCインターフェースの提供
  • 後にOphir Photonicsブランドへと統合されるビーム診断ツールの初期開発

2006~2010年:ビームプロファイリング分野の統合と強化

2000年代は、ビーム解析技術における大きな転換期となりました。

2006年 ― Spiriconを買収

2006年、Ophirは米国のレーザービーム診断分野のスペシャリストであるSpiriconを買収しました。Spiriconは、カメラベースのビームプロファイラやパワーメータなどの分野で高い技術力を有していました。

このSpiriconの技術と、Ophirが保有するレーザー計測分野の製品ポートフォリオが融合することで、Ophir-Spiriconが誕生しました。これによりユーザーは、レーザーの「どれだけのパワーがあるか(How much)」だけでなく、「ビームがどのような形をしているのか(How)」まで把握できる、より包括的な計測・解析ツールを利用できるようになりました。

2010年 ― Photon Inc.の統合によりビームプロファイリング分野を強化

2010年、Ophirはスキャンニングスリット方式のビームプロファイリングのパイオニアであるPhoton Inc.(NanoScanなどの製品で知られる)を買収しました。

これにより、Ophirは以下の技術をポートフォリオに追加しました:

  • カメラベースの2D/3Dビームプロファイリング
  • 超高出力や測定が困難なビームに対応したスキャンニングスリット方式プロファイリング
  • BeamGageなどへと進化する統合ソフトウェアプラットフォーム

この一連の取り組みにより、Ophir Photonicsはレーザービーム測定ソリューションを包括的に提供できるリーディングカンパニーとしての地位を確立しました。

2011~2016年:NewportおよびMKSグループへ

2011年 ― Newport Corporationへ

2011年、Ophir Optronicsはグローバルフォトニクス企業であるNewport Corporationに買収されました。

これにより、Ophirのレーザー計測およびビーム解析のポートフォリオは、以下を含むより広範な製品エコシステムの一部となりました:

  • Newport:オプトメカニクス、モーション制御、防振技術、光学製品
  • Spectra-Physics:レーザー光源

この統合により、ユーザーにとっては、レーザー、オプティクス、メカニクス、計測の各要素がより高いレベルで統合されたソリューションが提供されることとなりました。

2016年 ― MKS Instrumentsへの統合

2016年、MKS InstrumentsはNewport Corporationを買収し、Ophir、Newport、Spectra-Physicsの各ブランドはMKS Photonics Solutions Divisionのもとに統合されました。

これ以降、Ophir PhotonicsはMKSにおけるレーザー計測およびビーム解析分野の中核ブランドとして位置付けられ、NewportおよびSpectra-Physicsと連携しながら、レーザー加工および精密アプリケーションにおけるMKSの戦略である「Surround the Workpiece」の実現に貢献しています。

2010年代:高出力・産業用途測定における技術革新

2010年代において、Ophir Photonicsは数多くの革新的製品を市場投入し、その多くが業界において高い評価と受賞歴を獲得しました。

  • BeamTrackセンサー
    出力、位置、ビームサイズを単一センサーで同時計測可能とした製品で、2012年に「R&D 100 Award」を受賞。
  • BeamWatch
    高出力レーザー向けの非接触・リアルタイムビーム診断ツールとして開発され、2015年にLaser Focus Worldより表彰。
  • BeamWatch AM
    積層造形(Additive Manufacturing)環境に最適化されたモデル。
  • BeamGage®およびStarLabソフトウェアの継続的な機能強化
    より高度な解析機能と、自動化システムとの統合性向上を実現。

これらの開発は、レーザー技術が研究開発環境から生産現場へと本格的に移行する流れと軌を一にしています。
高出力レーザーが製造プロセスに組み込まれる中で、高い信頼性と再現性を備えた測定技術は、装置稼働率の維持およびプロセス品質の確保に不可欠な要素となっています。

2020年代:MKSエコシステムにおけるOphir Photonics

近年、Ophir Photonicsは高出力、産業用途、さらには積層造形(Additive Manufacturing)分野に向けて、製品および技術のさらなる拡充を進めています。

  • Ariel
    産業用途向けに設計された、表示機能を内蔵したコンパクトなハンドヘルド型パワーメーター
  • Helios & Helios Pro
    過酷な生産環境および高出力用途に対応したインライン型産業用パワーメーター
  • 超高出力センサー群
    16kW、70kW、150kWといった、現代の産業用レーザーの出力レベルに対応する数十kW級のセンサーをラインアップ。
  • BeamPeek
    金属積層造形向けに、高出力ビーム解析と出力測定をコンパクトに統合したシステム。

これらの製品群は、MKSが提供するレーザー光源、オプティクス、モーション、制御、プロセスモニタリングといった幅広いソリューションと組み合わされることで、ユーザーに対しワークピースを中心とした包括的なツールセットを提供しています。

50年の歩み:Ophir Photonicsの主なマイルストーン

  • 1976年
    エルサレムにてOphir Optronics設立。精密赤外オプティクスおよびレーザー計測分野に注力。
  • 1980年代
    レーザーパワー・エネルギー測定製品ラインを拡充し、防衛・セキュリティ用途向け赤外光学製品を強化。
  • 1990年代
    テルアビブ証券取引所に上場。グローバル販売を拡大し、初期のビーム診断ツールを開発。
  • 2006年
    米国Spiricon社を買収し、カメラベースの高度なビームプロファイリング技術をポートフォリオに統合。Ophir-Spiriconを形成。
  • 2010年
    Photon Inc.を買収し、スキャンニングスリット方式のビームプロファイリング技術を追加。包括的なビーム診断ソリューションを確立。
  • 2011年
    Newport CorporationがOphirを買収。レーザー計測技術をより広範なフォトニクスプラットフォームへ統合。
  • 2016年
    MKS InstrumentsがNewportを買収。Ophir、Newport、Spectra-PhysicsがMKS Photonics Solutions Divisionのもとに統合。
  • 2010年代
    BeamTrack、BeamWatchの投入およびBeamGage/StarLabの大幅アップデートを実施。複数の業界アワードを受賞。
  • 2020年代
    高出力産業用レーザーおよび積層造形分野に注力。Ariel、Helios Pro、BeamPeek、並びに超高出力センサなどを展開し、Ophir Photonics(MKSブランド)としてソリューションを提供。

今後の展望

創業から50年を経た現在も、Ophir Photonicsは創業当初からの基本理念に基づいて事業を展開しています。

「レーザーを正確に測定できなければ、プロセスを真に制御することはできない。」

レーザーはますます高出力化・高精度化が進み、適用されるアプリケーションも高度化しています。それに伴い、信頼性の高い測定およびビーム解析技術の重要性は今後さらに高まっていきます。

Ophir Photonicsは、以下の分野への投資を継続しています:

  • より高出力かつ高速な測定技術の開発
  • 産業用オートメーションとのさらなる統合
  • 複雑なビーム診断をより容易かつアクセスしやすくするツールの提供

レーザーが支える現代の産業と研究をさらに進化させるために、
測定・評価・最適化の新たなステージへ向けた取り組みは、これからも続いていきます。

Ophirの50年を辿る
MKS Ophir ― 1976年から続くイノベーションの軌跡

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