
アディティブマニュファクチャリング

アディティブマニュファクチャリング(AM)の技術により、軽量・複雑な機械部品でも迅速、かつ自動的に「特注製造」することが可能となっています。
AMは材料を層(レイヤー)状に重ねていくことによって立体物を造形する方式で、それぞれのレイヤーは立体物の精密な断面となっています。AMは当初ラピッドプロトタイピング(試作品)に使用されていましたが、今日では様々なレーザー加工に使用され、医療機器や航空宇宙分野等、要求の厳しいアプリケーション向けの重要な部品の量産においても期待されている製造方式とされています。(例えば、最近の研究では、将来長期の宇宙計画において、医療機器をAMによって現場で製造することが提案されています。この方式によって全ての医療機器を機内に持ち込む代わりに、デジタル保存されたテンプレートに基づき、医療機器を必要に応じてAM製造することが可能となります。)
初期のAM技術は多くの場合ポリマー材料を使用しており、AMによって形成された立体物は視覚化用の試作品や、さらに溶融金属で鋳物を量産する金型の作成向けとして使用されています。
対照的にダイレクトメタルSLM(選択的レーザー溶融法)のような、より近代的な技術はAMとは大きく異なっており、レーザーは金属粉末を選択的に溶融することで、システムは試作品にとどまらず機能部品を製造することができます。このようなシステムは通常数百Wの出力を持つファイバーレーザーを使用し、多くの場合4本までの、複数のレーザービームを同時に制御します。
試作品と量産品との間には大きな違いがあります。量産品は計画されたアプリケーションに対し要求する最終スペックを満たす必要があります。さらに機械加工(ある程度の成形品)とは対照的に、AMではレーザーシステムが製作結果の形状だけでなく、その物理特性(強度、表面品質等)も決定する上、再加工ができません。
半導体産業の場合と同様に、製造の条件は異なるAM技術、材料(金属およびポリマー)、部品形状等、様々なAMアプリケーション向けに開発されています。これらの条件には正確なレーザーの出 力、ビーム形状・サイズ、パルスエネルギー等のパラメーターが含まれます。
ここでのキーワードは再現性で、それは該当するレーザーパラメーターの厳密なモニタリングを意味します。ビームの出力、および焦点の位置と形状は全作業領域、全レイヤー、複数ビームにわたり、かつ該当する複数のシステムについて、一定時間高度な安定性を保つ必要があります。複雑かつ新しいテクノロジーのため、決して簡単な要求ではありません。
Ophirはこれらの重要なレーザーパラメーターのモニタリングについてソリューションを提供しています。 具体的にはセンサーからディスプレイ、PCインターフェース、さらにセンサーとケーブル接続できない場合(チャンバー内で測定する場合等)のワイヤレスメーター (Quasar)に至るまで、レーザービームの出力とエネルギーを測定するための計測器を提供しています。
ビーム解析については、Laser Focus World 2018 Innovations Awards を受賞したBeamWatch AM(AM向けに特別に設計された業界初の非接触レーザービームモニタリングシステム)等、様々なソリューションがあります。集光スポット径やビームウェストなど、主要なビームサイズ、位置、およびビーム品質を測定し、レーザー起動時の焦点シフトをリアルタイムで測定可能にします。