レーザーパワーセンサー概要
サーマルセンサー
概要で説明したように、サーモパイルセンサーには一連の異種金属からなる接合点があります。2つの接合点間の温度差により、それらの間に電圧が生じます。接合点は連続して配置され、温点は常に熱を受ける内側にあり、冷点は放熱される外側にあるため、ディスク上を放射状に伝わる熱の温度差により、入射したパワーに比例した電圧が生じます。レーザー光は、サーモパイルセンサーディスクの中央 (熱電対が配置された裏側) に入射され、放射状に熱移動し、外周部で冷却されます。この時に、熱電対の列が入射パワーまたは吸収されたパワーに比例する温度の変化度を測定します。温度差により発生する電圧に影響し、電圧差は周囲温度ではなく熱伝導に影響されるため、読み取り値は原則的に一定な周囲温度に左右されません。吸収される熱はすべて熱電対を伝達するため (レーザービームが温点の内側にある限り)、ディテクターの反応はビームサイズや位置の影響をほとんど受けません。ビームが内側の温点に近い場合、一部の熱電対が他よりも熱くなりますが、それらすべての合計が測定されるため、読み取り値は同じになります。一般的に、Ophirは±2%以下の均一性を持っています。

パワーセンサーを使用したシングルショットエネルギーの測定
Ophirのサーマルパワーセンサーは、主にパワー測定に使用されますが、シングルショットエネルギーも測定可能です。一定期間ディスクに流れるパワーを積算し、エネルギーを測定します。ディスクが加熱し、冷却するのにかかる時間は通常数秒かかるため、これらのサーマルセンサーでは数秒間に1パルスしか測定することができません。そのため、「シングルショット」と呼ばれる測定に適しています。センサーディスクの応答時間は遅いものの、測定対象はパルス後にディスクに蓄積される熱なので、測定するパルスの短さに限度はありません。
ビームトラック パワー/ビーム位置/ビームサイズ測定センサー
Ophirには現在、パワーだけでなくビーム位置とビームサイズを測定可能な、新しいビームトラックサーマルセンサーがあります。この革新的な装置は、レーザービームに関する豊富な情報 (パワーとシングルショットエネルギーだけでなく、センタリング、ビーム位置とふらつき、ビームサイズ) を提供します。ここに図示したビームトラックセンサーは次のように機能します。センサーから出る信号は4分割され、4つの出力を測定し比較することにより、ビームの入射位置を高い精度で判定することができます。更に4分割だけでなく、独自のビームサイズディテクターもあり、これらの様々なディテクターからの出力を処理した後、ビームサイズとともにビーム位置が表示されます。ビームサイズは>3mmのガウシアンビームに対し校正され、他のビームについては、相対的にビームのサイズが変化しているかどうかが示されます。ビームトラックセンサーの詳細は、セクション1.1.3をご参照ください。

サーモパイルディスクの種類
すべての用途のニーズを満たす単一の吸収体はありません。Ophirは、ロングパルス (0.1-10ms)、ショートパルス (<1µs)、CWなど異なるアプリケーションのためにいくつかの種類を開発しています。ロングパルスおよびCW用に最適化された吸収体は、パルス照射中に熱がコーティングを通り、ディスクに伝達されるため、薄い耐熱性材料が特徴です。一方、ショートパルスでは、熱がショートパルスの照射中に伝達することができないため、すべてのエネルギーが表面付近の薄い層 (一般的に0.1µm) に蓄積します。それによって表面が気化し、吸収体が損なわれます。そのため代わりに、部分的に透明で50µm-3mmの厚みで吸収する体積吸収体が使用されます。この吸収体は、より大きな体積に熱を拡散させるので、より高いエネルギーに対応します。
Ophirのサーモパイルは、数十マイクロワット~キロワットを測定可能ですが、ディスクの動作温度範囲は限定されており、温点と冷点の温度差が数十度を超えると、接合点の連続した加熱/冷却により早期故障する可能性があります。異なるパワーレンジに対応するため、高出力には厚いディスク、低出力には薄いディスクのように、異なる厚さおよびサイズのディスクが使用されます。ディスクの応答時間は、サイズと形状によって異なり、直径が大きく厚いディスクは、直径が小さく薄いディスクよりも遅くなります。応答時間は一般的に、ディスクの薄い吸収体の部分で加熱される材料の質量vs.同じ領域から熱伝導される速度に依存し、アパーチャーにほぼ比例します。つまり、50mmアパーチャーのディスクは18mmアパーチャーのディスクよりも3倍時間がかかります。
表面熱吸収センサー
表面吸収体は通常、銅またはアルミの熱伝導基板に蒸着された光吸収耐熱素材で構成されます。数百µs以上のロングパルスまたはCWレーザービームが表面吸収体に入射されると、光が表面の非常に薄い層 (一般的に厚さ0.1-1µm) に吸収されます (図A参照)。光が薄い層に吸収され、熱に変換されても、エネルギーが表面層に蓄積する間に熱が熱伝導基板に伝達されるだけの十分な長さがパルスにあるため、表面が過剰に熱くなることはありません。Ophirの標準的な表面吸収体は、最大2msパルスで10J/cm2、低出力CWレーザーで28kW/cm2まで耐えることができます。
高出力レーザーおよびロングパルス用表面吸収体
従来、表面吸収体の>1000Wでのダメージスレッショルドは、2-3kW/cm2で損傷する可能性がありましたが、Ophirは高出力レーザー用にダメージスレッショルドが向上したコーティングを開発しました。これらのコーティングは、以前のコーティングに比べて密度と熱伝導率が高くなっています。このLP2コーティングは、ロングパルスに対しても高いダメージスレッショルドを持ち、パワーダメージスレッショルドは最大10kW/cm2、10msで300J/cm2です、表面吸収体は、約100µsよりも長いパルスに適しています。
表面 vs. 体積吸収体
数十µs以下のショートパルスレーザーを測定する時は、熱が短時間で蓄積し、パルスの間に伝達することができません (図B参照)。そのため、すべてのエネルギーが薄い層に蓄積し、その層が蒸発してしまうため、薄い表面でエネルギーを吸収する表面吸収体は適していません。このような場合は、体積吸収体が使用されます。体積吸収体は以前から、熱伝導金属基板に熱伝導材で接着されたNDガラスで構成されています。NDガラスは、マイクロメートル単位ではなく、厚さ1-3mmで光を吸収します。その結果、熱の伝導がないショートパルスでも光と熱が材料のかなり深いところまで蓄積するため、体積吸収体付きパワー/エネルギーメーターは最大10J/cm2の高いエネルギー密度に耐えることができます (図C参照)。これらのNDガラスがOphir P型吸収体の基礎となります。P型吸収体に加え、OphirにはUV用EX型吸収体と同様に、高い平均パワーとパワー密度に耐えることができるPF型およびSV型吸収体もあります。
高出力水冷センサー概要
Ophirは、高出力産業用レーザー向け測定システムの供給に長年の経験があり、最大120キロワットまでの高出力測定機器を販売しています。また、Ophirにはフルパワーで最大10kW/cm2という高いダメージスレッショルドを持ったセンサーがあり、250W-120kWの水冷センサーと最大500Wの空冷センサーを提供しています。
Ophirが提供するすべてのセンサーは、フルパワーでテストされ、全出力範囲にわたって直線性が検証されています。このテストは、NISTまたはPTBによって事前に直線性を検証した低出力センサーに、ビームスプリッターで出力の一部を入射して行います。または、事前に測定済みの、より高いパワーセンサーに照らし合わせて出力範囲の読み取りを測定することによって行います。精度、直線性、ダメージスレッショルドは、長年の開発と多くのユーザーにご使用いただくことで、注意深く検証されてきました。高出力用パワーメーターに加えて、Ophirにはビームプロファイラー、ビームダンパーおよび産業レーザー向け保護エンクロージャーがあります。
Ophir高出力センサーの校正方法と推定精度
Ophir models 5000W, 10K-W, Comet 10K and 30K-W are calibrated using relatively low power lasers not exceeding 1000W. Using laser powers that are in many cases much lower than the power rating of the sensors being calibrated raises the question of calibration accuracy. The following explanation clearly demonstrates that these highest power sensors are indeed accurate to ±5% over their measurement range as specified. The 5000W, 10K-W and 30K-W sensors work on the thermopile principle, where the radial heat flow in the absorber disk causes a temperature difference between the hot and cold junctions of the thermopile which in turn causes a voltage difference across the thermopile. Since the instrument is a thermopile voltage generating device, it must be linear at low values of output. Therefore, if it has been shown to be linear up to full power – as it has - it will necessarily be linear at very low powers and if the calibration is correct at low powers, it will remain correct at high powers as well. On the other hand, although the output may be linear at low powers, there may be a zero offset that, due to the relatively low output at low powers, will cause an error in calibration.
たとえば、センサー出力が10µV/W (一般的な値) で、200Wで校正を行ったとして、たった1µVのゼロオフセットが、10%の校正エラーを引き起こします。Ophirの校正方法は、パワー印加時と印加していない時の読み取り値の差の測定を行い、それによってゼロオフセットによるエラーを除外しています。この測定は、精度を保証するため数回行われます。上記の測定方法により、測定エラーによる校正の不正確さが、低出力センサーで予想されるエラーに匹敵する1%未満になります。これを検証するため、Ophirの高出力センサーすべてが、さまざまな校正基準と比較して測定されています。これらの測定値が、Ophirのセンサーが主張する直線性限度以内であることを示しています。Comet 10Kシリーズは、レーザーを10秒照射した時の吸収パックの熱上昇を測定します。Comet 10Kを校正するために、Ophirでは単純に低出力レーザーを長く、例えば150Wで60秒間照射します。この方法の熱影響は、高出力レーザーと類似しており、NISTトレーサブルの高出力センサーで校正したCometをテストして、正確で再現可能であることが示されました。
フォトダイオードセンサー
フォトダイオードセンサーは、光の強さに比例した電流を発生する半導体デバイスで、わずかnWから約2mWまで、広範囲の光出力レベルで高度な直線性があります。それを超える光レベルでは、約1mAの電流に対応して、フォトダイオード内の電子密度が大きくなりすぎ、効率が下がって飽和状態になり、読み取り精度が下がります。OphirのPDセンサーは、ほとんどがディテクターで光レベルを下げ、飽和状態にならずに最大30mWの測定を可能にするフィルターを内蔵しています。また、ほとんどのセンサーに着脱可能なフィルターが付いており、モデルによって300mWまたは3Wまでの測定が可能です。
動作原理
レーザーなどの光源がフォトダイオードディテクターに入射すると、光の強さに比例し、波長に依存する電流が生まれます。ほとんどのフォトダイオードディテクターは2mWで飽和しますが、多くの低出力レーザーが5-30mWオーダーの出力であるため、センサーが飽和することなく、最大30mWを測定できるように、PD300センサーは、内蔵フィルターとともに構成されています。着脱可能な追加フィルターを使用すると、PD300センサーシリーズは、モデルによって最大300mWまたは3Wの測定が可能です。Ophirのパワーメーターユニットは、この信号を増幅し、センサーが受信したパワーレベルを示します。Ophirのパワーメーターの優れた回路により、ノイズレベルが非常に低く、Ophirのパワーメーターを使用するPD300シリーズのセンサーは、数pWから数Wまで広いダイナミックレンジを持っています。PD300の図を以下に示します。PD300とPD300-1Wには、専用の特許デュアルディテクターが隣接して接続されており、両方のディテクターを等しく照らすあらゆる信号 (バックグラウンド光) を除去します。

校正と精度
The sensitivity of various photodiode sensors varies from one sensor to another as well as with wavelength. Therefore, each PD300 sensor is individually calibrated against a NIST standard, which has been calibrated at several nm intervals over the entire spectral range. The calibration is done over the entire spectral range against the NIST standard using a computer-controlled monochromator. Since the instruments are calibrated against NIST standards, the accuracy is generally ±3% over the wavelength range the calibration has been performed. The linearity of the photodiode detector is extremely high and errors due to this factor can be ignored, as long as saturation intensity is not approached.